「玄関の鍵って自分で交換できるものなの?」
「鍵交換する際に気をつけることってなに?」
上記のような疑問をお持ちではないでしょうか。
現在使っている玄関の鍵が古くなってくると、セキュリティに不安があるため交換を考える人は多いでしょう。しかし、鍵業者に頼むと費用がかかってしまうため、自分でやりたい人もいるかもしれません。
本記事では、玄関の鍵を自分で交換する方法や注意点を解説します。鍵交換は自分でもできる作業ではありますが、事前確認や注意点をおさえておかないと後悔することになるため、ぜひ最後までご覧ください。
玄関の鍵を自分で交換する方法
玄関の鍵は家庭によって使われている製品が違うため、それに伴い交換する方法も変わってきます。ここでは、玄関の鍵の種類ごとに交換する方法を解説しますので、ぜひ自分で行う際の参考にしてみてください。
シリンダーのみを交換する場合
シリンダー錠は、現在住宅の多くで使われている錠前です。自宅や会社のドアなどで日常的に目にすることも多いでしょう。シリンダーのみを交換する場合は、以下のような手順で作業をしていきます。
- 玄関ドア側面のフロント板を固定しているネジを取り外す
- マイナスドライバーを使ってシリンダーを止めているピンを抜き取る
- 錠前からシリンダーを外す
- 外したピンでシリンダーを固定する
- 新品のシリンダーを錠前に取り付ける
- 最初に取り外したフロント板を元に戻す
- 正常に動くか確認する
交換はシリンダーのみになるため、作業量は他の鍵交換よりも少ないです。鍵交換をしたことのない素人でも比較的簡単に交換できるでしょう。
シリンダーを錠前ごと交換する場合
シリンダーだけではなく、錠前全体にガタがきている場合は、錠前ごと交換しましょう。シリンダーを錠前ごと交換する場合は、以下のような手順で作業をしていきます。
- 玄関ドア側面のフロント板を固定しているネジを取り外す
- シリンダーとサムターンを固定している4本のピンを抜き取る
- 室内側のドアノブを固定しているビスを緩めてハンドルを取り外す
- 丸座カバーを反時計回りに回して取り外す
- 座金を固定しているビスを緩めて室内外から取り外す
- 錠ケースを固定するビスを緩める
- 錠ケースを引き抜き、新品の錠ケースを取り付ける
- 新品の錠ケースを固定するためにビスを締める
- 逆の手順で新品のハンドルや丸座カバー、座金などを取り付けていく
- 正常位に動くか確認する
シリンダーのみを交換する場合と異なり、手順や交換する部品が多いため、最後に取り付ける際に手順がわからなくならないようにしましょう。
インテグラル錠を交換する場合
古いアパートや家屋で良く見られるインテグラル錠は、シリンダーやラッチ、デッドボルトなどが一体化している錠前です。インテグラル錠を交換する場合は、以下のような手順で作業をしていきます。
- 室内側のドアノブを反時計回りに回して取り外す
- 丸座を固定しているネジを取り外す
- 室外側のドアノブを固定しているビスを外す
- 室外側のドアノブを取り外す
- ドア側面で固定されているフロント板を取り外してケースを引っ張り出す
- 新品のインテグラル錠のケースを入れてフロント板を固定する
- 逆の手順で新品のドアノブや丸座などを取り付けていく
- 正常に動くか確認する
インテグラル錠は、部品の数も少ないため、自分でも取り外しや取り付けが簡単な部類の錠前です。ただし、インテグラル錠は一体化型で部分的な交換が難しいため、一部が故障した際も全体を買い替えなければいけません。
プッシュプル錠を交換する場合
プッシュプル錠は、セキュリティ性や利便性、デザイン性が高く、現在主流になりつつある錠前です。プッシュプル錠を交換する場合は、以下のような手順で作業をしていきます。
- 室内側からドアハンドルを固定している上下のネジを外す
- 室内側のドアハンドルを外す
- 室内側のドアハンドルを外した際に現れる金具のネジを取り外す
- ネジを取り外したプレートを外す
- 室外側のハンドルを取り外す
- ドア側面のフロント板を取り外す
- シリンダーを固定しているピンを抜き取って、シリンダーを取り外す
- 新品のシリンダーを取り付けてピンで固定する
- 逆の手順で新品のドアハンドルなどを取り付けていく
- 正常に動くか確認する
プッシュプル錠は、型番によってドアハンドル上下で使われているプレートの大きさが違う可能性があります。ドアハンドルを付け替える際に、上下逆にしないように注意しましょう。
玄関の鍵を自分で交換する前に確認すべきこと
玄関の鍵を自分で交換する前に、現在使用している錠前の種類や規格を確認しましょう。玄関のドアに合わない鍵や錠前を購入してしまうリスクがあります。
玄関に使われている鍵や錠前には、さまざまな種類や規格が存在しているため、同製品あるいは互換性のあるものを選ばなければいけません。錠前の型番や長さ、鍵の形状などを正確に把握しておかなければ、鍵を交換する際にドアに合わないトラブルが発生します。
そのため、ドア側面に刻印されているメーカー名や型番などの情報を忘れずに確認しましょう。後から買い直したり、外した鍵を元通りにしたりする手間を省くためにも必要な作業です。
また、鍵の購入時点で正しい商品を選ぶ自信がない人は、鍵業者への依頼を検討しましょう。
玄関の鍵を自分で交換する4つの注意点
自分で玄関の鍵を交換するにしても、いくつか注意点があります。実際に鍵交換作業を実行する前に、ぜひ確認してみてください。
鍵交換のために必要な道具を用意しなければいけない
自分で玄関の鍵を交換する場合、鍵交換に必要な道具を準備する必要があります。鍵交換は、プラスドライバーがあればできる作業が多いです。
しかし、錠前の種類によってはマイナスドラーバーや六角レンチ、鍵専用潤滑剤などの道具を用意しなければいけません。ホームセンターに行けば手に入りますので、鍵交換に必要な道具を鍵交換前に購入しておきましょう。
ただし、道具を購入する際は、交換する鍵に合わせたサイズの道具に合わせる必要があります。購入したものの、実際にドライバーが大きすぎてネジを回せないといった事態にならないようにしましょう。
電子錠は自分で鍵交換できない
近年で多くの家庭で導入が進んでいる電子錠ですが、電源式と電池式の違いによって自分で交換できるかどうか変わってきます。
電池式は、貼付け式の製品ならば基本的に誰でも簡単に交換可能です。しかし、電源式の場合は制御盤から配線して電気を通す必要があるため、電気工事士の資格がなければ鍵交換はできません。
そもそも、電子錠は高額なケースが多いため、自分で実施して失敗すると、その後の業者への依頼費用も相まって高額の出費になってしまうおそれがあります。電子錠の交換は、リスクを認識した上で実行するか検討しましょう。
賃貸の場合は勝手に鍵交換はできない
持ち家ではなく賃貸の場合は、管理会社の許可なしに鍵交換はできません。
賃貸の所有権は入居者ではなく、管理会社が保有しています。加えて、入居する際に交わした賃貸契約書に、鍵交換は管理会社の許可が必要であると記載されているケースが多いです。
また、管理会社に断りもなく鍵交換してしまうと、緊急時の対応が遅れてしまったり、物件の安全管理に支障をきたしたりしてしまいます。せっかく交換したのに原状回復を求められる可能性もありますので、自分で鍵交換する際は事前に管理会社に許可を求めましょう。
トラブルが発生しても自己責任になる
持ち家ならば鍵交換は自由に行えますが、その際に発生したトラブルのすべては自己責任になるため注意しましょう。
例えば、鍵交換に慣れていなければ、交換作業中にドアやドア枠を傷つけたり、立て付けが悪くて鍵が正常に機能しなかったりするなどのリスクがあります。
しかし、プロの鍵業者に依頼すれば、確実に鍵を取り付けてくれますし、工事に関する保証で後から問題が発生しても対応してもらえます。将来的なトラブルを避けたい人は、自分で鍵交換をやらずに、鍵業者へ依頼しましょう。
まとめ:自分で鍵交換しないでプロに任せた方が安心!
今回は、自分で鍵交換する方法やその際の注意点について解説しました。
玄関の鍵交換自体は、未経験でもできる作業です。しかし、自分で鍵交換を行うと、間違った製品を購入してしまったり、正確に鍵を取り付けられなかったりするなどのリスクがあります。
特に鍵の取り付けが甘いと空き巣の標的になった際に被害を受けやすいため、セキュリティ上の問題が発生します。鍵交換後に発生するトラブルやうまく鍵交換を行う自信がない人は、プロの鍵業者に依頼する方が安心して生活できるでしょう。